
6月も後半になると、そろそろ夏休みの予定を立てている人も多いかと思います。今年の夏は、沖縄のブルーな海を満喫♪と考えている方もいらっしゃるでしょう。夏の楽しい思い出のハズが・・・ってことにならないよう、注意の必要な海洋生物について、まとめましたので、海に行く前に参考にしていただけたらと思います。
危険な海洋生物のいるところ
ダイビングの認定証を持っている方は、講習で危険な生物のことを習ったと思います。しかし、ダイビングを楽しむような深いところじゃなくても、浅瀬や潮だまりにも危険生物がいることがあります。危険生物に刺されたり、噛まれたりして、ちょっと痛いだけならまだしも、最悪の場合は命の危険もあるので、十分注意が必要です。特にお子さんには気を付けてあげてください。
ハブクラゲ
沖縄でよく見られるクラゲは、ハブクラゲです。体が半透明なので、水中で見つけにくく、刺されてから気がつくことが多いです。触手には刺胞という毒針の入ったカプセルがたくさんあって、触手に刺激を受けると毒針が飛び出します。
刺されると激痛を生じ、ミミズばれになります。過去には死亡例もあります。砂浜に打ち上げられているものを触っても、毒針が飛び出すことがありますので、むやみに触ってはいけません。
他の種類のクラゲに刺されることもあります。海に行く時は、ハブクラゲ防止ネットの設置されていて、ライフセーバーのいるビーチで海水浴を楽しんでください。
ウンバチイソギンチャク
おわんのような形で褐色の海藻のような姿をしているので、見分けがつきにくいです。体に刺胞球を持っていて、強力な毒があります。サンゴ礁に生息しているので、シュノーケル中にうっかり触ってしまうことが多いです。
イモガイ
たくさん種類があって、貝殻がきれいなので、つい拾ってしまいがちなイモガイ。実は毒銛を持っていて、刺されることがあります。イモガイの毒は神経毒なので、刺されても痛みは感じませんが、体がマヒして溺れる危険性があり、血清もないので、たくさんの死亡例があります。
貝殻だと思ってポケットに入れて、あとで刺されることもあります。貝殻の模様もさまざまで、他の貝と区別がつきにくいので、色のきれいな巻貝は拾わないことです。特にお子さんには注意してください。
ウミヘビ
ウミヘビは神経毒を持っています。噛まれると、体がマヒして溺れることもあります。流木と間違えて触ってしまうこともあるので、注意が必要です。
ミノカサゴ

とても美しく、優雅にゆったりと泳いでいます。近づいてもあまり逃げませんが、ヒレには毒があり、刺されると大変痛いです。ミノカサゴも種類がたくさんあります。海の生物は触らないのが基本です。
ヒョウモンダコ

浅い海にいる小さなタコです。刺激を受けると体の青い模様が浮かび上がります。くちばしで噛まれることで毒が注入されます。ヒョウモンダコの毒はフグと同じ、テトロドトキシンなので、近づかないことが大切です。
オニダルマオコゼ
浅いサンゴ礁に生息していて、岩などに擬態しているので、見分けがつきにくいです。背びれには毒のある棘があり、刺されると激しい痛みがあります。海外では死亡例もあります。
ガンガゼ
浅瀬に生息しているウニの一種です。長い棘は毒を持っていて、刺さりやすく、折れやすく、抜けにくいです。刺さると激しい痛みがあり、棘が折れて体内に残りやすいです。
ゴンズイ
浅い岩場などに生息する魚です。だんご状に固まって泳ぐ習性があるので、「ゴンズイ球」と呼ばれます。背びれと胸びれに毒棘があります。シュノーケルやダイビング中に見かけることもあります。
また、釣りの時に、かかってしまい、針からはずす時に刺されることも多いので、糸を切って捨てるようにします。
オニヒトデ
サンゴ礁に生息し、サンゴを食い荒らすことで有名です。全身が棘でおおわれているヒトデの仲間で、棘に毒を持っていて、刺されると激しい痛みがあります。
うつぼ
くねくねと長い体をしていて、あまり動かないので写真が撮りやすいと近づく人も多いです。毒はありませんが、鋭い歯を持っていますので、噛まれると大ケガになります。傷口に雑菌などが入り込む可能性もありますので、うかつに近づかないことです。
クマノミ
映画に出てくる「ニモ」のモデルの魚で、とても人気があります。縄張り意識が強いので、近づきすぎると噛まれることもあります。クマノミだけでなく、カワハギ、スズメダイも同様です。
気を付けるポイント
危険な海洋生物に刺されたり、噛まれたりしないように、次のことに注意してください。
- ハブクラゲ防止ネットが設置されていて、ライフガードのいるビーチを選びます。
- 水着1枚で泳がずに、ラッシュガードやTシャツを着ます。
- 磯遊びの際は、そこの厚い靴を履きます。マリンシューズがオススメです。
- うっかり触ってしまわないように、シュノーケルやダイビングの時に不用意に手をつかないようにします。サンゴや岩などに手を入れないようにします。
- 海洋生物は触らないのが原則です。手や指を近づけすぎないようにします。
- もし、刺されたり噛まれたりしたら、すぐに海からあがって、ライフセーバーに応急処置を依頼して、医療機関を受診します。
ちょっと注意することで、沖縄の海を快適に過ごすことができます。楽しい思い出をたくさん作ってくださいね。