
世界遺産にも登録されている斎場御嶽は、古くから沖縄では最高の聖域とされてきました。2000年にはユネスコの世界文化遺産にも登録された斎場御嶽。せっかくですから、その楽しみ方を紹介しましょう。
斎場御嶽は900以上ある御嶽の中で最も位の高い聖域
斎場御嶽は、県内に900以上あるといわれている御嶽の中でも、最高の聖域と呼ばれる場所です。
かつての琉球王国では、琉球王国の最高権力者である国王と、信仰の最高神女である聞得大君(きこえのおおきみ)が国の頂点に立っていました。
聞得大君は、国王の姉妹など、主に王族の女性が任命される最高位であり、国の神事をつかさどる役目を担っていました。その聞得大君が、約400年にわたって琉球王府の神事を行っていたのが、斎場御嶽です。
聞得大君ってどんな人?
聞得大君は、「きこえのおおきみ」と読みますが、方言では「チフィウフジンガナシ」といい、漢字では「聞得大君加那志」とかきます。
最初の聞得大君は、尚真王の妹であった「音智殿茂金」といわれています。琉球王国が崩壊してからもこの職は引き継がれ、戦時中であった1944年に「思戸金翁主」が就任したのを最後に、廃職となりました。
なんと初代の「音智殿茂金」から最後の聞得大君である「思戸金翁主」までに、18人もの聞得大君が存在していたといわれています。
斎場御嶽は男子禁制の聖地だった
今では男女問わず中に入ることができる斎場御嶽ですが、かつては国王ですら、中に入るときは、女性のように着物を変えなければ中に入ることができないといわれるほど、男子禁制の聖地でした。
斎場御嶽を楽しむには

斎場御嶽は、沖縄最高の聖域です。中に入ると、どこを歩いてもパワースポットといわれています。でも、最高のパワーを受けるためには、注意したほうがよいことがいくつかあります。
斎場御嶽にヒールは厳禁
斎場御嶽内は、急な坂道や凸凹した道が延々と続きます。そのため、まずヒールでは歩けません。さらに、雨が降ると、参道に敷き詰められている岩がとても滑りやすいため、滑りやすい履物もおすすめしません。
あらかじめ歩きやすい靴を履いていくことをおすすめしますが、知らずに見学に来てしまった人のために、入り口でサンダルの貸し出しサービスを行っています。数に限りがありますから、できれば事前に準備していってくださいね。
虫除けスプレーは必要
パワースポットと呼ばれるだけに、中に入ると空を覆うように木が生い茂る中、拝所まで進んでいきます。ぜひ、虫除けスプレー持参で見学してください。
意外と中は怖いです
観光スポットでもある斎場御嶽は、一日中多くの観光客が訪れます。ですが、聖域といわれているだけに、本当に自然豊かな場所です。
比較的人の少ない時間に訪れると、うっそうとした森の中を、たった一人で歩いて行かなければいけません。こういう場所がちょっと苦手という人は、ぜひ誰かと一緒に回るようにしてくださいね。
駐車場から斎場御嶽まで歩いて5分ほどかかります
斎場御嶽に行くには、駐車場のある南城市地域物産館の駐車場に車を停め、徒歩で向かいます。途中に有料駐車場がありますが、入場チケットの販売は、無料駐車場のある地域物産館になりますから、基本的にはここから歩くことになります。
ですから、カメラや携帯電話などを忘れてしまうと、相当な距離を歩くことになります。
ちなみに、6~10月に訪れる場合、駐車場から斎場御嶽までを歩くだけで日焼けします。帽子や日傘、日焼け止めクリームの準備も忘れずに!
斎場御嶽最高のパワースポットは三庫理(さんぐーい)
斎場御嶽といえば、三角形の空間のようなトンネルの写真があります。この場所は、斎場御嶽の中でもっとも奥に進んだ場所にあります。
シキヨダユルとアマダユルの壷
三角の空間に入る手前に、2つの壷が置かれています。これは、壷の上に広がる鍾乳石から滴り落ちる水を受けるために置かれた壷で、ここにたまっている水は聖水といわれています。
この場所に来ると、全身でマイナスイオンを感じることができます。周りと比べても、明らかに温度が下がりますので、沖縄の暑さを一瞬忘れさせてくれます。
斎場御嶽の本島の美しさは自然のトンネルの先にある
三角の空間になっているトンネルは、巨石が偶然崖に倒れこんだことでできた、まさに自然のトンネルです。その先に広がる景色も、トンネルの手前と奥からでは、それぞれ違った印象になります。
沖縄の聖地・久高島はトンネルの先で出会える
三角のトンネルを抜けると、右手側に「チョウノハナ」と呼ばれる拝所があり、左手側に目を向けると、真っ青な海が見えます。この海に浮かぶ島が、沖縄で神の島と呼ばれている聖地・久高島です。
写真を撮るときも順番に、行儀よく!
この場所からの景色は、斎場御嶽のメインといわれるだけに、文句なしに美しいです。それだけに、ここからの景色をカメラに収めようと多くの人が待ち構えてます。
でも、あくまでもこの場所は、拝所。今でも、この場所に祈りを捧げるために訪れる人も多く、祈りのための香炉も設置されています。
ぜひ、マナーを守って、厳かな気持ちで写真をとるようにしてくださいね。
斎場御嶽の帰りに立ち寄りたいスポット
斎場御嶽に来たのですから、ここでなければできない体験もぜひどうぞ!
パラグライダーで聖域を空から感じる
斎場御嶽の駐車場のすぐ近くに、パラグライダーの飛行体験ができるスポットがあります。1回の飛行は約15分なのですが、ベテランインストラクターと一緒に、空から島を見学することができる2人乗りパラグライダーが体験できます。
62円で手に入る斎場御嶽土産
斎場御嶽に向かう1本道の入り口に、知念郵便局があります。実はここに、斎場御嶽がある南城市の公式キャラクター「なんじぃ」がプリントされた記念はがきがあります。
イラストには10種類以上あるのですが、その中のひとつに斎場御嶽をモデルにしたものがあります。お土産や、斎場御嶽見学の記念にどうぞ!
知念郵便局
- 住所:南城市知念久手堅337
- 電話:098-948-2722
幸せの架け橋で記念写真
南城市地域物産館の建物裏側に、ちょっとした記念写真のスポットがあります。「幸せの架け橋」とかかれた小さな橋に登れば、美しい沖縄の海をバックに記念写真を取ることができます。
南城市地域物産館
- 住所:南城市知念久手堅539番地
ふわふわの食感!絶品ドラゴンボール
同じく南城市地域物産館1階にある三矢本舗は、サーターアンダギー専門店として、県内でも有名なお店です。恩納村に本店がある三矢本舗なので、本島南部でこの味を楽しむことができるのはここだけ!
三矢本舗ではサーターアンダギーはもちろん有名ですが、ここでなければ食べられない地元では有名なお菓子があります。それが、ドラゴンボール。
時間と店舗によっては、わざわざ足を運んでも、売切れてしまって手に入らないこともあるドラゴンボールですから、見かけたらぜひ食べてみて!お土産には、これまた地元に愛される銘菓「幻の味ブルース」をどうぞ!
三矢本舗 南城市地域物産館店
- 電話:098-917-4114
斎場御嶽へ行く前に
沖縄へ観光で来られた際、荷物を持ったまま観光されている方を度々目にします。世界遺産などの観光名所ではスーツケースをガラガラを移動させる事は難しいので、事前にコインロッカーやホテルに預けて観光するようにしましょう。
沖縄ではゆいレールの駅などにコインロッカーが設置されていますので、そちらを利用するのも良いかと思います。ゆいレール近辺のコインロッカーの詳細はこちらのサイトで詳しく紹介されています→ゆいレール近辺のコインロッカー情報
斎場御嶽はやっぱり最高のパワースポット
古の時代から、沖縄の最高の聖域として多くの人々が足を運んできた斎場御嶽は、やっぱり最高のパワースポットでした。何度行っても、そのたびに癒された気分になる斎場御嶽。ぜひあなたも、斎場御嶽の癒しの力を体験してみてくださいね。