沖縄のお盆は旧暦で行うので、その年によって日にちが違います。そうとは知らずに沖縄に旅行に来たら、お休みのお店が多かったと落胆する方も多いかと思いますが、この機会にぜひ、沖縄の伝統文化である道じゅねーを楽しんでください!
エイサー基本情報
エイサーは本土の盆踊りと同様にお盆に先祖の供養のために踊る伝統芸能です。意味合いは盆踊りと同じかもしれませんが、雰囲気は全然違います。ノリのいいリズムで、太鼓を持ったまま、舞い踊ります。
もともとはそれぞれの地区の青年会のメンバーが旧盆の時だけ、踊っていたエイサーですが、エイサーコンクールも開かれるようになって、旧盆以外のイベントでも踊られるようになりました。
また、先祖供養を基本にした”伝統エイサー”に対し、華やかな衣装をまとい現代の音楽や小物を組み合わせた”創作エイサー”があります。先祖供養を目的にはしていませんが、伝統エイサーを基本にしています。
テーマパークや様々なイベントで演じられるのは創作エイサーです。伝統も創作も、どちらにもそれぞれの良さがあります。
旧盆のエイサーはいつやるの?
沖縄のお盆は旧暦で行いますので、「旧盆」と呼ばれています。旧暦の7月13日はウンケー、14日はナカヌヒー、15日はウークイと言います。
旧盆のエイサーは、地域によって3日間通して行われるところもあれば、ウークイの日のみ行われる地域もあります。旧盆の数か月前から公民館や学校の体育館などで毎晩のように練習していて、漏れ聞こえる音楽で 「もうすぐお盆だなぁ」と沖縄の人は感じます。
道じゅねーってなに?
旧盆のエイサーは道じゅねーが基本です。道じゅねー(みちじゅねー)とは道を練り歩くの意味で、地域の道路をエイサーを踊りながら練り歩きます。
エイサーが演舞されるのは、スーパーやコンビニの駐車場のこともありますが、基本道路です。以前は日が暮れてからスタートし、夜中まで練り歩いていましたが、だんだんスタート時間が早くなってきているように思います。音が気になって眠れないとか、子供の演者も増えたので、夜中まで参加させられないなど、いろんな事情があるからかもしれません。
誰でも自由に見られますので、住んでいる地区以外でも、フラッと行って見ることが出来ます。那覇は都会ですが、那覇にもたくさんの青年会があって、エイサーの道じゅねーをしています。どこで何時ごろエイサーが演舞するかは、看板やポスターでお知らせされます。

最近はSNS等で「今ここです」と案内されていますので、twitterやfacebookなどで情報を集めるとよいでしょう。
繁多川青年会の道じゅねーに行ってみた
繁多川(はんたがわ)青年会の編成は、太鼓、旗頭、伴奏者でした。

子供から30歳くらいまでの男女が太鼓を持って演舞します。青年会によっては、男性のみ太鼓を持って女性が手踊りというところもあります。繁多川は男女ともに太鼓を持っていました。

先輩がチョンダラーです。チョンダラーは着物を着くずし、白塗りの化粧をした道化役ですが、実は踊りの合図をしたり、観客を盛り上げたりと全体を見渡している重要な役です。

年配の人が軽トラに乗って三線などで伴奏をします。青年会の名前の入った旗頭(はたがしら)も演舞にあわせて披露されます。演舞するのが道路なので交通整理をする父親もいます。母親たちは活動費の募金を集めつつ、ジュースや救急箱を持って、踊り手のフォローをします。地域に根付いた地域の伝統行事であることがよくわかります。

間近で見られるので太鼓の音がお腹に響くほど迫力を感じます。エイサーの曲を聞くと心がうきうきして踊りたくなるのは、地元民でも移住者でも旅行者でも同じです。
沖縄にはエイサーを見る事が出来る祭り等のイベントもたくさんありますが、旧盆にしか見られない道じゅねーで沖縄の伝統文化に触れてみませんか?