乳幼児たちが集まる保育園での給食は、子供の健康や発育だけでなく食事の楽しさを味わう大切な時間。いくら健康であったとしても、「食べて楽しい」が大切になります。そんな保育園でよく登場する沖縄メニューとは?
ちんぴん

ちんぴんは、沖縄に昔から伝わる郷土菓子です。「一体どんなもの?」と思うかもしれませんが、簡単に言えば「トッピングなしのクレープ」のことです。
沖縄では昔からサトウキビの栽培が盛んです。サトウキビから作られるのが、沖縄の特産品である黒糖です。実は黒糖には豊富な栄養分が含まれており、子供のおやつとしてだけでなく栄養の補給としても高く評価されています。
ちんぴん作りに欠かせない黒糖の栄養とは?
薄力粉を薄く焼いたものを丸めて食べるちんぴんですから、甘みの決め手となる黒糖は欠かせません。そんな黒糖には、豊富な栄養素が含まれています。
まず一つ目となるのがミネラルです。ミネラルには骨や歯の成長に欠かせないとなるカルシウム・リン・マグネシウムが含まれています。
次がビタミンです。夏になると厳しい暑さが襲う沖縄では、外を歩くだけでも体力を消耗します。保育園に通う乳幼児となれば、外での活動も大切になります。でもたくさん体を動かせば、その分疲れもたまります。そんな体の疲れを回復させる効果があるのが、黒糖に含まれるビタミンです。
さらに黒糖にはミネラルやビタミンのほかにも、当分の吸収を抑える効果が高いフェニルグルコシドや腸内環境を整えるラフィノース、疲労回復効果のあるオフタコサノールも含まれています。
パパイヤイリチ―
イリチ―は「炒め物」のこと。沖縄ではパパイヤはフルーツとして食べるよりも、野菜として炒め物などにして食べることの方が多い食材です。パパイヤイリチ―として使うパパイヤは「青パパイヤ」と呼ばれ、沖縄では家庭料理としてもよく使います。
スーパーなどではそのままの状態ではなく使いやすく千切りになった状態で売られているため、青パパイヤがどんな形をしているのか想像もつかないと思います。
でも実物を見たら「ナニコレ?」と思うはずです。とにかく固いパパイヤの表面は、ピーマンのような鮮やかな緑色をしています。もしもパパイヤイリチ―がピーマン炒めのような見た目であれば苦手な子の方が多いと思いますが、青パパイヤの皮は非常に硬いので丁寧に剥き中身の白い部分を千切りにして使います。
イリチ―にする時はニンジンなどと一緒に炒めていきますので、見た目は子供が大好きな色になります。
沖縄そば

沖縄そばは蕎麦粉を使わず小麦粉を練って製麺します。ですから蕎麦粉アレルギーの子供でも食べることが出来ます。スープはカツオや昆布などから出汁をとるため香りがよく、しかも食事に時間がかかったとしても麺が伸びにくいため保育園のメニューとしても人気があります。
アーサ汁
アーサは「あおさ」のことです。沖縄のアーサは春に旬を迎える為、季節の食材としても人気があります。鰹だしで作るアーサ汁はもちろんですが、酢の物やてんぷらとしてもよく食べます。
アーサは天然の健康食品だから乳幼児にもおすすめの食材
アーサは海藻ですから、ビタミンやミネラルが豊富に含まれていることは有名です。でもそのほかにも、疲労回復に効果があるビタミンB1や皮膚や粘膜を作るのに必要となるナイアシン、貧血予防効果のある葉酸やビタミンB12なども含みます。もちろん骨や歯を作る上で必要なカルシウムやリン、マグネシウムも含まれるので、沖縄では昔から「天然の健康食品」として親しまれています。
人参しりしり

人参嫌いの子供が多いといわれていますが、沖縄では逆に人参が大好きな子供の方が多いです。その秘密となるのが、沖縄家庭料理の定番である「人参しりしり」にあるといえます。
人参しりしりは、ニンジンを千切りにしたものを鰹だしで炒めて作ります。人参とともに卵やツナの缶詰と一緒に炒めることもあり、どの家庭の子供たちも大好きなメニューです。
保育園の給食でも人参しりしりはよく出されるメニューです。ただし保育園の給食メニューですから、幼児でも食べやすいように人参が柔らかくなるまで炒めるのが特徴です。鰹だしであっさりとしているので、どの子供もモリモリ食べてくれる大人気メニューです。