
沖縄に住んでいると三線が生活に溶け込んでいることを実感します。三線と三味線ってどうちがうのでしょうか?ご紹介しましょう。
三線も三味線もルーツは同じ!?
三線は中国から伝わった楽器がもとになっています。その三線が本土に伝わって三味線になりました。つまり、ルーツは同じで、地域や演奏家によって工夫されて現代の形になったわけです。サクラザカマルシェの時に「切腹ピストルズ」のバンドメンバーが口上で、「三味線のご先祖の三線の地にご挨拶に参りました。」と言っていたのも納得ですね。
三線と三味線の違い
三線と三味線を項目ごとに比較してみました。
- 皮
- 三線の皮は蛇で、三味線の皮は犬、猫、人工の皮などが使用されます。
- バチ
- 三線のバチは水牛で作った筒状の爪を人差し指にはめます。三味線のバチはしゃもじに似たバチを持って弾きます。どちらも指で弾いたり、ギターのピックを使うこともあります。
- 大きさ
- 三線は80センチくらい。三味線は三線よりは大きいですが、三味線は種類が多いのも特徴です。ここで三味線の種類をご紹介しましょう。ただ、こちらは基本的な分類です。流派や演奏者、曲によって異なることもあります。
- 【太棹】義太夫、人形浄瑠璃、津軽三味線などがあります。なかでも津軽三味線が有名です。棹が太く胴も大き目で、大音量で迫力のある演奏が魅力です。
- 【中棹】民謡、地歌、常磐津、清本節などに使われます。太棹の三味線よりもひとまわり小さい三味線です。民謡は地域によってたくさんあり、長い年月をかけて歌い継がれてきました。歌のあるもの、踊りのあるもの、労働の歌、お祝いの歌などなどです。
- 【細棹】一番小さいサイズの細棹は長唄、小唄、俗唄などに使われます。芸者さんがお座敷で弾いたり、歌舞伎で使われるのはこちらです。
- 譜面
- 三線は工工四(くんくんしー)という縦書きで、漢字で書いてあります。三味線はたくさん種類があって、最も普及しているのが文化譜ですが、口伝えの曲も多く、もともとは譜面がなかったものを後年に楽譜にしたものや、即興演奏のためそもそも楽譜がないこともあります。
- 音
- 楽器の形状だけでも、これだけ違いがありますから、音が違います。音域は調弦の仕方や流派などで様々ありますので、音色と言った方がいいでしょうか。聞くとすぐにどちらかは区別がつきます。表現するのはむずかしいのですが、三味線は、卵を溶いているような音がする時もある、三線は糸の余韻って言うんでしょうか、「うよん」って感じの音がすると思うのは私だけでしょうか?
三味線は沖縄ではまず見られない!?
沖縄の町を歩いていると、どこからともなく三線の音が聞こえてくることがよくあります。テレビやラジオで聞く人も多いですが、自分で弾く人も多いです。居酒屋の店先でお酒を飲みながら弾いている人(お客さん)を本当に見かけます。
沖縄で三線は”趣味の習い事”ではなく、生活に密着しているものです。本土では三味線も三線も聞くことが出来ますが、沖縄では三線ばかりで三味線はまず見られません。
ですが、沖縄では三線のことを三味線と言うこともあります。求人広告に「介護士募集。三味線の弾ける方。」なんていうのを見たことがあります。もちろん、三線のことですが、ちょっとややこしいですね。
また、三線は蛇の皮を貼っていることから「蛇皮線」という人もいますが、沖縄では使いません。
三線も三味線もアレンジいろいろ
三線も三味線もアレンジがいろいろです。ストラップをつけて立って演奏したり、エレキ音が出せるようにしたり、洋楽器とコラボしたり様々です。きっとこれからもいろいろな工夫がされるでしょう。可能性のある楽器と言えます。
三線と三味線が見られる具体例をあげましょう。
- 吉田兄弟
- ふたりで津軽三味線を弾いています。迫力のある音が魅力です。
- 和楽器バンド
- 和楽器と洋楽器がコラボしていて、三味線もあります。私的には、もっと盛り上がって欲しいと思います。
- 桐谷健太
- 携帯電話のCMで有名になった「海の声」は三線を持って歌っています。
- BIGIN
- 三線持って歌うことが多いです。
- きいやま商店
- 沖縄の石垣島を中心に活動している3人組で、三線とギターを持って歌います。沖縄ネタや身内ネタの歌もあって、CMにもよく登場しています。
那覇にも三線を販売しているお店がたくさんあって、弾き方も教えてもらえます。民謡のステージを見ながらお酒の飲めるお店もたくさんあります。沖縄らしさあふれる三線に是非触れてみてくださいね。