
沖縄には龍にまつわるパワースポットがたくさんあり、それと同じ数だけ龍神伝説も残されています。でも実際にどんな話があるのかまでは…。そこで沖縄の龍神様にまつわるスゴイ伝説をまとめてみました。
沖縄の龍神様にまつわるスゴイ伝説その①
あるところに貧しい暮らしをしていた男性がいました。ある日、男性はちょっと不思議なヘビに出会います。そのヘビはなんと千年もの間人に見られることなく生きており、男性とあったちょうどその時に龍に生まれ変わろうとしているところでした。
そこでヘビは男性に「ここで見たことは人に言わないでくれ。内緒にしてくれたなら金に困らないようにしてやる」と言います。男性はヘビの申し出を受け入れ、黙っていることを約束します。すると安心した蛇はそのまま龍に生まれ変わり、約束を守った男性は大金持ちになることができたのです。
男性はその後も龍に生まれ変わったヘビとの約束を守り、秘密を人に話すことなく幸せに暮らしていました。ところが時がたつうちに、大事な龍との約束を忘れてしまいます。そしてうっかり龍の秘密を人に話してしまいます。すると男性はあっという間に元の貧乏人へと戻ってしまいます。約束を破った男性に龍が怒ったからだといわれています。
沖縄の龍神様にまつわるスゴイ伝説その②
これは与勝諸島にある津堅(つけん)島に残るお話です。
その昔津堅島では、旧暦の10月13日になると島の美女をさらう龍蛇が現れました。その龍蛇は何とも恐ろしい姿で、体が1つなのに頭は7つもありました。困り果てた島の長老たちは、この恐ろしい龍蛇を退治する作戦をたてます。考えたのが島の特産品であるイモで酒を造り、龍蛇が酒を飲んで酔ったところを襲って退治するという方法です。
早速長老たちは作ったイモの酒を7つの樽に入れて並べます。そして島一番の美女の姿が樽の酒に映るよう、高い木の上に立たせることにします。準備が整いしばらく待っていると、海の底から龍蛇が姿を現します。そして龍蛇は樽に映る美女を見つけると、ためらいもなくそのまま樽の酒に顔ごとつっこみます。
ところがそこには美女はおらず酒だけが大量に龍蛇の体の中へと流れ込んだため、龍蛇はその場で酒に酔って倒れてしまいます。その瞬間身を潜めてていた村人たちが龍蛇にとびかかり、包丁でヘビの身体をズタズタに切り裂きます。こうして毎年島の美女をさらう龍蛇を無事に退治することができたのです。
実はこの話には続きがあります。包丁で体中を切り刻まれた龍蛇に村人たちが近づくと、なんとその尾から美しい剣が出てきます。実はこの龍蛇は海の彼方に住んでいるマータンコーと呼ばれる龍蛇で、富と災厄の両方をもたらす神様だったのです。そのため津堅島では今でもこの伝説を基にした「マータンコー」と呼ばれる祭りが毎年旧暦の11月14日に行われています。
沖縄の龍神様にまつわるスゴイ伝説その③
これは、人の先祖となった龍神様の話です。
宇宙には「天龍大御神(父龍)」と「天久臣乙女大神(母龍)」という夫婦の龍神様がいます。ある時、この夫婦の龍神様は沖縄の地に降臨します。そしてここで「天風龍御神(長男)」「天火龍大御神(次男)」「天水龍大御神(三男)」の兄弟龍が生まれます。兄弟龍はそれぞれ天女と結婚し子供の龍が生まれます。
子どもの数は長男夫婦の間に4龍、次男夫婦の間に3龍、三男夫婦の間に2龍の合計9龍。この9龍と兄弟龍3龍を合わせると12龍。つまりこれが干支を守る12の神様です。こうして沖縄は宇宙神である13の龍神様に守られるようになり、人々は龍神様を大事にするようになったのです。
ちなみに兄弟龍の9人の子どもたちと干支の関係は次の通りです。
- 【長男龍の長男】卯
- 【長男龍の長女】辰
- 【長男龍の次男】午
- 【次男龍の長男】未
- 【次男龍の長女】申
- 【次男龍の次女】酉
- 【三男龍の長男】戌
- 【三男龍の長女】亥
沖縄には島のあちらこちらに龍神伝説がある
沖縄は竜宮信仰が古くから根付いている場所です。そのため島のあちこちに龍神伝説がありますし、龍神様を祀っている拝所やパワースポットがたくさんあります。しかも観光名所や絶景スポットと呼ばれる場所にも龍神様の祠が隠れていることもよくあります。ですからあなたが沖縄旅行をしたことがあるのなら、あなたは知らないうちに龍神様のパワーをもらっているのかもしれませんね。