
台風は1年に25個程度発生し、そのうちの7個程度が沖縄に接近します。沖縄は台風の通り道と言えます。そのわりには人的被害が少ないのです。なぜ、人的被害が少ないのか調べてみました。
鉄筋コンクリート造りの家がほとんど
沖縄の住宅はアパートであっても鉄筋コンクリート造りの建物がほとんどです。木造の建物が全くない訳ではありませんが、稀と言ってもいいくらい、ほとんどありません。
玄関ドアも沖縄仕様で頑丈なものが取り付けられています。窓ガラスも厚みのあるものが使われています。沖縄は海に囲まれていて、高い山がないので台風の強い風による被害が大きいので、風に強い構造の建物が多いのです。
看板などは、はずれたり壊れたりしやすいので、アパートなどの名前を建物に直接書いているところも多いです。
避難所の開設が早い
海岸や河口に近い低地では、高潮による浸水被害の恐れがあるので、早めに避難所が開設されます。いつも同じ地域が対象になり、同じところが避難所になるので、慌てずにすみます。
沖縄は琉球石灰岩の地質で水はけがよく、川の氾濫が少ないと言われてきましたが、近年は雨の降り方も変わって降水量が増えてきたので、氾濫危険水位を見直すなど、新しい対策が進められています。
暴風警報が合図になっている
気象台から発表される”暴風警報”が合図になっています。
暴風警報が発令されるとバスやモノレールは運行をストップします。公立の学校は臨時休校になり、休みになる会社も多いです。(会社の就業規則によります)大手スーパーや美ら海水族館、首里城も休業になります。これは一切躊躇なく行われ、決まりのようになっているので、台風の接近が予想される時は迷うことがなく、対策が立てやすいと言えます。
沖縄県民は無理をしない!台風対策の手際が良い!

公園にあった、こんな大きな木が根元から倒れてしまうような強い勢力の台風が接近しても、人的被害は少ないです。一番の理由は、沖縄県民は無理をしないことにあると思います。台風の接近が予想されると、手際よく早めに台風対策をします。
自分が困らないだけでなく、他の人を傷つけないための対策です。国際通りにあるフラワーポットはカバーがつけられます。

家庭では、植木鉢や物干しざお、洗剤など外にあるものを家の中にしまい、排水溝を掃除し、車を安全なところに移動させます。
停電しても食べられるカップ麺やレトルトカレー、パンや缶詰などーと飲料水を多めに買っておきます。
スマホはフル充電し、懐中電灯は部屋用とトイレ用をスタンバイします。バスタブにお水を張っておけば、断水した時にトイレを流す水として使えます。
沖縄本島では、この10年くらい断水は生じてませんが、マンションの場合、停電してしまうとポンプが動かせなくなって、断水することがあります。
台風の時に停電するのは珍しいことではありませんので、沖縄県民も停電に慣れていますが、近年は電気を使うものが増えていますので、停電対策はとても重要です。
そして、台風の日は外に出ません!
本土で台風の時に人的被害にあった方でよくあるのが、「外の様子を見に行って被害にあった」です。本土では2~3時間で台風が通過することもありますが、沖縄ではまる1日暴風域に入ったままや通過するまでに数日かかることもあります。「なんとかなるだろう」は通用しないのが沖縄の台風なので、沖縄県民は無理して外出せずに、DVDを見たり、PCでネットを見て過ごすのです。
沖縄に遊びに来たつもりが台風に遭遇してしまった場合は、決して無理をしないでください。美ら海水族館も国際通りのお土産屋さんもお客様の安全を第一に考えて休業しています。お休みなだけで逃げませんので、ホテルなどで安全に過ごして、天気が回復したら遊びに行ってくださいね!