
最後まで自分らしく生きたいと思った時の選択肢の一つとして「緩和ケア」があります。いざという時の準備は出来るだけ早めにしておく方が良い沖縄移住だからこそ、沖縄の緩和ケア事情についても知っておきましょう。
緩和ケアとは?
今や日本人の最も多い病気が「がん」です。がんになった時に「積極的に治療を受ける」という選択肢意外に「緩和ケアを受ける」という方法もあります。
ただ緩和ケアというと「末期状態のがんだけのもの」というイメージがあるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
がんになると様々な症状が体に現れます。がんの症状そのものももちろんですが、痛みや体のだるさ、気力がないなどの症状も現れます。
このようにがんには「身体的な苦痛」のほかにも「精神的な苦痛」もおこります。こうした様々な苦痛を緩和するための治療のことを「緩和ケア」といいます。
ですからがんと診断された時点から緩和ケアは受けられます。
緩和ケアは本人だけでなく家族のためでもある
一番苦痛を感じるのは、もちろん病気になってしまった本人です。でも決して本人だけが苦痛を感じるのではありません。
看護をする家族は痛みや苦痛を訴える本人を見守るわけですから、自分ではどうすることも出来ないことに苦痛を感じます。
でももしもその痛みが少しでも和らいだとすれば、見守る家族にとっても心に少しだけゆとりが出来ます。
つまり緩和ケアは病気になった本人のためだけでなく、病気の本人のそばで見守る家族のためにもなるケアなのです。
緩和ケアは自宅でも受けることが出来る
緩和ケアは病院や緩和ケア病棟を持つ施設だけでなく、自宅でも受けることが出来ます。
ですからがんになったとしても、自宅で治療や看護を受けながら生活を続けることが出来ます。
ただし自宅で緩和ケアを受けるためには、病院や緩和ケア施設で緩和ケアを受けるよりも費用が掛かることを理解しておいてください。
訪問看護を受ける場合
お医者さんや看護師さんが自宅に来てケアをする場合は、医療保険の適用範囲内となります。
ただし「医師や看護師の交通費」は別途請求されることがあります。またケアに必要となる衛生材料費も医療保険の適用外として別途請求されることがあります。
薬代も別途考えるべき
病気の治療も続けていく必要がありますので、その場合は処方された薬を薬局で購入する必要があります。
この場合の薬代は別途費用としてかかります。ただし院内処方の場合は医療保険の適用となることもあります。
介護保険を利用すれば費用の軽減が出来る
自宅で緩和ケアを受けるとなれば、気になるのが費用ですよね?でもこの問題にも対処法があります。
65歳未満の場合、介護保険は基準に該当しない限り申請することは出来ません。
ただし、がんと診断された、一定の条件をクリアしていれば介護保険サービスを利用することが出来るようになります。
このサービスを利用すると、自宅での介護で必要となる福祉用具のレンタルや購入が、自己負担額1割で利用できるようになります。
そのほかにも介護ヘルパーを依頼したり訪問入浴を利用するなどの介護サービスも、同じく自己負担額1割で利用することが出来ます。
とはいえ65歳未満の場合は「医療保険」の方が「介護保険」よりも優先されます。
でも介護保険が利用出来ればかなり経済的な負担が減りますから、まずは通院している病院のソーシャルワーカーに相談してみてください。
経済的な不安を解消することも、広い意味での緩和ケアになります。
移住先の沖縄でも最後まで自分らしく生きることは出来る
医療サービスの内容や緩和ケアの環境は、地域によって違いがあると思っていてください。
でもどの地域であっても大切にされるのは「自分らしく生きるという権利」です。
悩みを抱えた状態で日々を過ごすのは、決して自分らしい生き方とは言えません。
周囲に頼れる親族がいない沖縄移住者だからこそ、「いざとなったらどうするか?」という不安は誰もが持っているはずです。
でもこのようなことも元気なうちから意識して考えておけば、いざとなった時にも慌てずに過ごすことが出来ます。
「安心して最後までお気に入りの沖縄の景色とともに暮らす」。これこそが究極の沖縄移住といえるのではないでしょうか?